心臓がドキドキする系の絶品。読んでいて実際に激しい動悸がおさまらなくなるときがありました。
鋭い人間一般への洞察を、あくまでも現実に繋がった形であらわした随想集です。あくまでも、何がなんでも人間に執着する姿勢は、執念といってもいいような大きな感情を感じさせます。
著者の人生観は、底に深い諦念をおき、そうでありながら決して悲観的なものではありません。穏やかな諦めの上には、人生のところどころにあらわれる美との感応への明るい称賛があります。美との感応こそが善への通路の入り口であり、そこにおいて人生は楽しまれるのですね、と感じました。この内容で560円(税別)とは、あまりにも安すぎるので大幅に値上げしてもかまわないな、とも感じました。
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カテゴリ:
評論・随想・随筆・その他
- 感想投稿日 : 2010年1月15日
- 本棚登録日 : 2010年1月15日
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