文庫版 虚言少年 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2014年9月19日発売)
3.64
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本棚登録 : 312
感想 : 27
3

「ズッコケ三人組」のシニカル版とでも例えたらいいのだろうか。
特に第1話が顕著だが、各小編の冒頭にまるでエッセイのような、どこに向かうとも何を片付けるともしれない独り語りがまず延々続く。
はっきりいってそれが冗長に過ぎ、飽きる。
京極堂シリーズに代表される緻密なミステリーならば、そういった口上も多少衒学的であっても読むのは堪えられるが、いわばナンセンスギャグを骨子とするこの作品においてはなかなかきつい。
そもそもが入り方、この小説を読み始める時の私の心構えが誤っていたのかも…。
作品の後半、「けんぽう」あたりからはオチの面白さというか、笑いどころが急に腑に落ちるようになってきたのだが、これは作品の流れ上そうなったのか、あるいは語り口に慣れてきた私の脳内の変化なのか、不明。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫
感想投稿日 : 2014年12月23日
読了日 : 2014年12月23日
本棚登録日 : 2014年12月23日

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