さよならソルシエ (2) (フラワーコミックスアルファ)

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  • 小学館 (2013年11月8日発売)
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前作品の『式の前日』からすっかりファンになってしまった穂積さんの作品。




19世紀末のフランス、パリ‥

「グーピル商会」のテオドルス・ファン・ゴッホ

後に天才画家と評されることになるフィンセント・ファン・ゴッホ




そう!あの炎の画家ゴッホの物語。




ゴッホの作品にはとても熱いパワーを感じます。

それはゴッホの人生を先入観を持ていたから。




感情の起伏が激しく自分の耳を切り落としてみたり

弟にはお金の無心の手紙を送ったり

最後は自死…だったり。




正直あまり良い印象は持ってはおらず

“芸術家だから普通の人とは何かが違うのかな?”

とありきたりのイメージでしかありませんでした。




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生涯支え続けたテオ。

“新しい芸術”で世界を変えようとする熱い気持ち

兄への兄弟愛、憧れの気持ち。

そして…嫉妬。




ある事件によって

兄への気持ちを暴露してしまう。




だけど

街中の人々から周囲の人々にはかけることができた魔法は

愛する兄にはかからなかった。

逆に

ずっとかけられていた魔法が解けてしまう。



君はひとつ大きな勘違いをしている

僕のその宿命受けて立とう

世界を幸せにする絵を描こうじゃないか

でもな

僕だけじゃなく君にも宿命があるんだ

僕の絵を君が世に出す

君がその手で世に広めるんだ

それが君の僕たち兄弟の宿命なんだ


彼らはそれぞれ

コンプレックスという名の魔法にかかっていたんだ。

二人とも魔法使いではない、生身の人間だったんだ。

二人はライバルでも敵でもない。家族なんだ。

いつまでも

何百年も永遠に。




泣けました。

穂積さんの家族愛にはいつも胸が熱くなります。

このお話が本当かどうかはわかりません。

でも、このような家族愛や作品に対する愛は本物だと信じています。




切ないような

さみしいような

優しくほんわかしているこの気持ち




きっと

私もテオの魔法にかかっちゃったかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年5月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年5月1日

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