白峰温泉白峰総湯の番台、永井洋子さんが貸してくれた本。
怖い。「善い人」「悪い人」なんていない。状況で何にでもなる人間の恐ろしさ。人間の醜い部分が否応無しに書かれていて、気持ち悪くなる。人の命って何だろう?簡単に奪われすぎる。全裸で、大勢の面前で、マスコミと野次馬にさらされて。こんな死の瞬間なんて、あまりにも酷すぎる。マスコミが嫌になった。人命より視聴率優先。人間の野次馬根性が恐ろしい。
五十嵐はまだ正常だ。私だったら、もっとエロく残酷なことを命令するだろう。復讐なんて関係なく、ただ自分の快楽のために。私だけ?自分、関係無い第三者だから。テレビの視聴者だったら、裸の男女に興奮するのだろうか?そもそも、五十嵐は奴隷同然の15人の全裸の女性に囲まれても、興奮しないのだろうか?
でも、もっと、予想だにしなかった理由で銀行篭城したかと思った。もっと、もっと・・・。
そう。こんな状況になったら、「他人のことなど考えてはいない」「自分の保身だけ」それが分かるから、人間やってて哀しい。自分が一番可愛いんだ。じゃあ、やっぱりキリストって超偉大だなあ。
28「彼らの十数年、または数十年の人生は、自分がトゥリガーを引くだけで終焉する。」
本当だ。人生って何なんだ・・・?自分の気分次第で。そんな権限なんてないのに。
29「神は、たまたまという都合のいい言葉を使い、罪のない人間を地獄へと叩き落す。」
何だか、この本を読んでいると、無神論者になっていくようだ。
38 全裸「完全なる服従の証」「家畜のように性器も肛門もさらけ出し無様な格好になった奴ら」
40「無造作に束ねた後ろ髪、化粧気のない土色の肌、生活臭が漂う地味な三十路女の全裸姿というのは、ある意味、容姿抜群の若い女のそれより卑猥だった。」
- 感想投稿日 : 2009年2月22日
- 読了日 : 2009年2月22日
- 本棚登録日 : 2009年2月22日
みんなの感想をみる