死都ブリュージュ (岩波文庫 赤 578-1)

  • 岩波書店 (1988年3月16日発売)
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本棚登録 : 261
感想 : 20
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プログレバンド「夢幻」のアルバム『レダと白鳥』で、
タイトルそのままモチーフにされた「死都ブリュージュ」
を聴いて以来、気になっていた本をやっと読んでみた。
そして、バレンタインデーであり
同時に「ふんどしの日」でもある今日、読了。
それはさておき(笑)
愛妻に先立たれて悲嘆にくれ、喪に服す男が、
ベルギーはブリュージュの街角で妻に瓜二つの女を見出す――
という、
19世紀末の作家ローデンバックによる小説。
敬虔なカトリック信者としてのメンタリティが言動を抑制し、
そこから生じるストレスが暴発して……といったところでしょうか。
ともあれ、「男」と「女」と「古い街」の
三角関係とでも呼びたくなる様相。
挿絵代わりに鏤められた、
運河を初めとする当時のブリュージュの風景写真が
寒々とした雰囲気を一層盛り立てている。
尚、20世紀に入って
E.W.コルンゴルトによって翻案され、オペラとして上演されたそうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  フランス語文学
感想投稿日 : 2014年2月14日
読了日 : 2014年2月14日
本棚登録日 : 2014年2月11日

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