ねこのおもちゃ絵: 国芳一門の猫絵図鑑

著者 :
  • 小学館 (2015年11月25日発売)
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感想 : 10
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人が猫のように見える? 猫が人のように見える??

幕末から明治にかけて流行した、
子供向けの学習教材の意味も持った浮世絵「おもちゃ絵」の
コレクション。
擬人化された猫が当時の庶民の暮らしを再現していて、
可愛らしくユーモラスで、場面によっては妙に艶っぽい。
猫好きの浮世絵師と弟子たちが
猫への愛をたっぷり込めて描いていたことが伝わってくる
楽しい一冊。
日本の「まんが文化」は奥深い。

ところで、
澁澤龍彦「空飛ぶ大納言」(『唐草物語』p.31-32)に、

> 蹴鞠で用いる鞠は
> サッカーのボールのように球状ではなく【略】
> フランスパンにも似た、
> まんなかの部分を強く締めくくった、
> ややくびれたものであった

――と、あるとおり、
天保12(1841)年、歌川国芳「流行猫の曲鞠」
に描かれた、蹴鞠に興じる猫が用いているのは、
巨大な桃のような「フォンデュ」(fendu=「双子」の意)
に似た形状である。
https://ws-plan.com/pan/furansupan/fendu.html

ちなみに、この本は
猫のいる小さな書店 Cat's Meow Books さんで購入。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  画集
感想投稿日 : 2017年11月20日
読了日 : 2017年11月20日
本棚登録日 : 2017年10月25日

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