偶然の科学

  • 早川書房 (2012年1月25日発売)
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本棚登録 : 598
感想 : 61
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その結果をもたらした理由はどういう論理なのか。いくらもっともらしい説明をつけても、どこか偶然に左右されている部分があり、結果を知っているが故の後付け解釈的なものにしかならない、というお話。

モナリザが芸術的価値が高い理由を説明しようとすると「モナリザ的要素が備わっているから」ということになるというところがおもしろかった。ハリーポッターもしかり。

こういうメタ認識の議論は話が難しくて、6割くらいしか内容が理解できなかったが、言ってることはなるほどと思う。『ヤバい経済学』、『ブラック・スワン』、『予想どおり不合理』、『これからの正義の話をしよう』と名だたる行動経済学、社会学の本にも言及しておりよく練られた主張なのだと思う。

こういう本を読んでしまうとどこかの成功した会社の経営論とか読んでも空々しい気がしてきてしまいそうだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス一般
感想投稿日 : 2012年7月30日
読了日 : 2012年7月29日
本棚登録日 : 2012年7月30日

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