福井智紀@麻布大学(専門は科学教育学&環境教育学)の本棚»
読書の記録をこちらにまとめることにしました。過去のデータも手作業で少しずつ・・・。カテゴリは専攻を反映して「科学」と「教育」に大まかに分類し(随時追加予定)、専攻外のものは「フィクション」「ノンフィクション」「コミック」などとざっくりと分類しています。もう少し長い書評は、はてなダイアリー(アカウントはFUKUI)に書いています。
レビュー by 福井智紀さん
震災後の日本に希望を与え、カリスマ的人気を誇る宮藤総理。その総理に官邸スタッフとして仕える若き政治学者・白石望と、旧友の白石にコンプレックスをもつ新聞記者・神林裕太。正義感あふれる白石と、スクープの野心に燃える神林、という相入れないふたりの視点を軸に、政治の暗部を暴いていく長編小説。一見魅力的なこの総理を本当に信じて良いのだろうか・・・と思いつつ読み進めていくと、中盤あたりからみるみるストーリーが展開し、政治的駆け引きや時に命がけの取材に一気に引き込まれる。白石の上司・田坂と、神林の上司・東郷が、ともに得体の知れない曲者でありつつも古い知り合いであるなど、登場人物が複雑に絡み合っていて、細部までよく練られているという印象。雑誌連載作を震災後に大幅に修正した作品であるという。震災・原発ネタであることや、その描き方には賛否あろうが、小説としては間違いなく読み応えのある作品。第146回直木賞候補作。 レビュー登録日 : 2012年01月17日
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