宮部みゆきの作家性が凝縮された一作。
絶対的な個としての「悪」ではなく、大きな流れの中で少しずつ生じる「ズレ」が積み重なり、恐ろしい出来事を起こす。時には、自分の幸せを追い求めることが他者を滅ぼすことにさえなる。
「火車」では、その不条理がすぐそばで起こり、そして自分に降りかかってくることの恐怖が、練達した文章で綴られている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文芸
- 感想投稿日 : 2016年3月20日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2016年3月20日
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