戦う者たちへ

著者 :
  • 並木書房 (2010年2月22日発売)
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感想 : 7

合気道部でお世話になっている荒谷先生の著書。現在は明治神宮武道場至誠館の館長で、自衛隊特殊作戦群初代郡長というおっかない肩書きの持ち主。(実際はかなり気さくで優しい方ですが)

若干グローバル資本主義を敵視しすぎているように感じられるところや、左寄りの人からはあまりに天皇礼賛と見受けられそうなところもあるが、基本的に非常に面白い内容。体験談と、学問的な内容と、生き方の哲学に関わる内容となっている。

体験談に関しては、正直、荒谷先生、よく生きてますね、と。訓練中に銃口がこっち向いて嫌な感じがしたからよけたら次の瞬間実弾が飛んできたとか、上空100メートルからパラシュート降下とか。。。読んでるだけでも冷や汗モノです。

社会や国家の在り方についてロックなどからとき起こしているところも興味深かったが、それ以上に、マズローの欲求段階説第六段階の話が出てきたのが面白かった。Twitterではじめて知ったのに、結構有名なんだろうか。色々学んでらっしゃる。アメリカンドリームは、自己実現の欲求であるのに対し、武士道の理想は、その一つ上の自己超越(コミュニティ実現)の欲求であるという。そういう対比もできるのか。

生き方としては、目的を持って、自分の意志で生きること、自然体で生きること、行動にうつすことの重要さが解かれている。戦うものとして、マシーンのようなGIではなく、自分の信念を持って自律的に行動できることが大切だという。軍事においてさえもそういう時代なのか!

合気道の稽古に対する姿勢がまた引き締められたとともに、マシーンのようなGIではなくゲリラやテロリストのように自律分散的な組織の強さについても色々と荒谷先生から学んでみたくなった(ここ最近の自習のテーマの一つ)。軍事に関してのスペシャリストでもいらっしゃるわけだし。

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感想投稿日 : 2010年4月3日
本棚登録日 : 2010年4月3日

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