赤い指 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2009年8月12日発売)
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感想 : 1895
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いったい何やってんだと腹が立って最後にホロッとさせる(推理)小説
東野圭吾「赤い指」

中学生の息子が、小2の女の子を殺した。
その両親はどうするか・・・あほなことを考える。どこかに捨てる、関係ないことにする・・・おいおい、それはないだろう。
とにかく、人間性のかけらもない息子に腹が立つ、それをかばおうとするだけの母親の言動に腹が立つ、それに従う父親のふがいなさに腹が立つ、嘘に嘘を重ね、警察をだまそうとする・・・おいおい。

これは犯罪の謎とき小説ではなく、人間の謎とき、家族の謎とき小説。
いじめ、家庭崩壊、介護などの問題が満載。

主人公の加賀の謎もちらほら見える。そして最後に明かされる。

加賀は言う。
「刑事の仕事は、真相を解明すればいいというものではない。いつ、どのようにして解明するか、ということも大切なんだ」

他の人のレビューを読むと、ムカつく、なんだこれは、特に母親と父親に対して・・というのが多い。

これは東野に皆持って行かれているのですね。東野は「ふっふっふ」と笑っているでしょう。作中の人物に対して、ムカつく、頭にくる、気分が悪い・・・これは作者の世界に取り込まれたこと以外何物でもない。

皆、東野ワールドの中にいることに気が付いていないのですね。

凄いね、東野。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年5月21日
読了日 : 2014年5月21日
本棚登録日 : 2014年5月21日

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