笑えよ (文庫ダ・ヴィンチ)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー (2015年2月24日発売)
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本棚登録 : 52
感想 : 8
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 多くの方が書いているように、確かに読みやすい小説だった。30分ほどで読み終わった。

 だからこそ、物足りなさを感じた。

 書泉で推されていたので試しに購入したが、表紙裏の内容説明とは異なり、かなり中身はライトなもの。

「おれ、女のひとがだめなんだ」

 この言葉を発端にはじまる男女3人の群像劇だが、描写は本当に表面的で、登場人物の内面に切り込んでいくということはなかった。
 男子同級生の同性への片想いを扱っているにもかかわらず、そこから広がるのは淡々とした日常だけ。
 女主人公(柏木葉)の視点で同性への恋心に葛藤する男子高校生が描かれているが、葉があまりにも勘が良すぎて、展開がご都合主義的に感じられた。

 これだけ重たいテーマを扱うのだから、もっと深く掘り下げて欲しかった。正直なところ、どうしてこの作品が審査員の評価を得て、ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しているのか疑問を感じた。
 上から目線な感想だとはわかっているが、評価は星1つをつけざるを得ない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2015年8月4日
読了日 : 2015年6月21日
本棚登録日 : 2015年8月4日

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