多くの方が書いているように、確かに読みやすい小説だった。30分ほどで読み終わった。
だからこそ、物足りなさを感じた。
書泉で推されていたので試しに購入したが、表紙裏の内容説明とは異なり、かなり中身はライトなもの。
「おれ、女のひとがだめなんだ」
この言葉を発端にはじまる男女3人の群像劇だが、描写は本当に表面的で、登場人物の内面に切り込んでいくということはなかった。
男子同級生の同性への片想いを扱っているにもかかわらず、そこから広がるのは淡々とした日常だけ。
女主人公(柏木葉)の視点で同性への恋心に葛藤する男子高校生が描かれているが、葉があまりにも勘が良すぎて、展開がご都合主義的に感じられた。
これだけ重たいテーマを扱うのだから、もっと深く掘り下げて欲しかった。正直なところ、どうしてこの作品が審査員の評価を得て、ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しているのか疑問を感じた。
上から目線な感想だとはわかっているが、評価は星1つをつけざるを得ない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年8月4日
- 読了日 : 2015年6月21日
- 本棚登録日 : 2015年8月4日
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