植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫 (中公新書 2174)

著者 :
  • 中央公論新社 (2012年7月24日発売)
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感想 : 95
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植物って、確かにすごい。そして面白い。

特に後半の、植物が紫外線や熱、寒さから身を守る戦略については興味がそそられた。
日中の気孔からの水分の蒸発を防ぐために、夜二酸化炭素を取り込む仕組みを作り出したサボテンなどのCAM植物。

それから、次世代を作り出す仕組みの話も。
温州ミカンが日本原産ということ自体知らなかったけれど、この種のないミカンも、花粉が種を作る力がないだけで、雌しべがほかの品種の花粉を受粉すればきちんと種ができるそうだ。びっくり。

無花粉スギの話も面白い。
無花粉なので、種はできない。
花粉ができる杉の花粉で受粉させることで種を作るそうだ。
しかしそれだと、花粉ができる杉かもしれない可能性もある。
確かめるには花を咲かせる十数年後!となるところだが、植物の背丈を伸ばすジベレリンという物質をかけることで、なんと2年で見極めることができるとか。

ところでヒノキの香をのもととなる物質は、ヒノキオールというらしい。
本書を読むと、結構いろいろと日本語の植物名がそのまま使われているものが散見されて面白い。
日本にしかない種が多いということでもあるんだろうなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年3月24日
読了日 : 2016年3月23日
本棚登録日 : 2016年3月23日

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