かばん屋の相続 (文春文庫 い 64-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年4月10日発売)
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感想 : 535
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銀行員や信金マンを主人公にした短編集。
―ということに全く気づかず読み始めた。
「かばん屋の相続」というタイトルだけを見て。
で、第一篇「十年目のクリスマス」を読み終わるあたりまで、一体かばん屋の話にどうつながるのか、と思っていた。
まったく、カバーの惹句くらい読めよ、とか、目次くらい見ろよと自分に突っ込む始末。

「芥のごとく」「妻の元カレ」などは、なかなか重い内容。
ロスジェネが主人公の「妻の元カレ」は、就職氷河期に銀行員になれた主人公と、正規採用されず、詐欺に手を染めるものの、妻の愛情を得ている元カレのどっちが「勝ち組」なのか、と問いかける。
二項対立図式がちとうるさい気もするが…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年9月4日
読了日 : 2016年9月4日
本棚登録日 : 2016年9月4日

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