日本、アルゼンチン、ベトナムを舞台にしたタンゴに魅せられた女たちの愛と哀を描く5編の物語。
中山さんにしてはさらっと読めるな~と4編を読み終わり、表題作に突入するや、女性作家と若き女性編集者の濃密な魂のやりとりに絡み取られる。
バンドネオンの奏でるタンゴのメロディーが頭の中で鳴り響く・・・卒塔婆小町を彷彿とさせる作家と編集者との命を削るようなやり取りは目が離せず、息を詰めるように読んだ。
5編目にして中山ワールド全開、ビアンの世界にどっぷり。
それにしても、タンゴの魅力を十分に感じられる作品で、久しぶりにバンドネオンの音色を聞きたくなった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
短編
- 感想投稿日 : 2016年5月4日
- 読了日 : 2016年5月3日
- 本棚登録日 : 2016年5月4日
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