以前『よい子の文化大革命』でも紹介した北海道大学の武田雅哉先生の本です。中国で「鬼子」と言えば日本人のことであり、明清時代から20世紀初頭くらいまでの中国人が描いてきた「日本人」についておもしろおかしく解説しています。この本を読むと、今でも年に数回目にする中国人の反日暴動や“下品”な中傷は伝統的なものなのだと、そして伝統だからこそそこには洗練されたものが見受けられるということが分かります。そのような視点で見ると、中国人の反日意識も違ったアプローチでとらえることができるのではないでしょうか。ただいたずらにこちらも反中意識を増幅させるのではなく、あちらさんの“エスプリの効いた”スローガンにはこちらもにやりと余裕な笑顔を向けましょう。「あとがき」にもふれてますが、中国とは異人に対する蔑称の王国です。もはや文化なのです。そのように考えるとなぜか親近感がわくのは私だけでしょうか?
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
東洋史
- 感想投稿日 : 2006年12月18日
- 読了日 : 2006年12月18日
- 本棚登録日 : 2006年12月18日
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