通例、歴史好きの少年少女の興味の視線は、信長だの龍馬だのの英雄英傑に注がれるもので、それにおもねるわけでもないのだろうが、わかりやすさを売り物にする学習漫画は人気のない民衆史には誌面を割かないものである。
そこをいくと、この「少年少女日本の歴史」シリーズは、名もなき民衆の暮らしの描写が充実している。「誰得?」というレベルだ。
なかんずく、この巻の第三章「一揆とききん」は白眉。長野県に伝わる義民の物語を、奔放な想像力で一編の力強いストーリーに紡ぎあげている。
まさか学習漫画で涙を流すとは思わなかった。立ち読みでもいいから、さっさと書店に走って、この部分だけ読め。
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- 感想投稿日 : 2012年10月17日
- 読了日 : 2012年3月16日
- 本棚登録日 : 2012年3月16日
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