があの本棚»
雑読気味ですが、タイムトラベル物やファンタジー色の強い作品が好きです。
レビュー by があ@大阪さん
深夜のテレビ局報道部。
ADの小林亮平のケータイに「室蘭市に核ミサイルが落ちた」旨のメールが届く。
冗談だろと思いつつ連絡を取ってみても、室蘭に連絡が通じない。他局はまだ報道していない。速報を流すべきが悩むスタッフ。
編集長のストップで誤報が確認され、緊急速報の放送はストップ……されたはずだった。
ニュース速報は流れた……
「踊る大捜査線」の君塚良一が脚本を書いた、アメリカドラマを意識したクローズドサークル型のミステリ。
誰が緊急速報を流したのか? という謎を起点に、それぞれの登場人物が隠していること、繋がりが1話ごとに現れていくという構造で、確かに「LOST」のようなアメリカが得意とするドラマが好きなら1話見ただけではまってしまうはず。……はい、私ははまりました。
秀逸なのは、アメリカのドラマのように謎や伏線だけ提示して、何シーズンも重ねてグダグダになって、伏線の回収もしないということはなく、9話という限られた中できちんとストーリーを完結させたこと。
日本のドラマ作成の技術を見ました。
メインのストーリーは9話で完結するのですが、これは日本のドラマ。日本のドラマというと11話完結が定番です。
この「ニュース速報は流れた」も11話が存在します。ですが、10話は存在しません。
11話は9話のラスト直後に発生した事件の謎を、関係者の証言(警察の取調室での会話)をザッピングで繋ぐ形で作っています。
これがまた前後関係や証言の断片だけで繋いでいるので、「報道で流されていることは本当なのか? ねつ造なのか?」といった全体を通した裏のテーマとも思えるストーリーが浮かんできた上に、結局、その事件の犯人を明示しないことで謎を含んだままでの終幕となります。
ネットで見ると「犯人が分からないからモヤモヤする」「10話がないと意味が無い。11話いらない」といった意見もあるようです。
ですが、物語として9話のラスト、生放送が始まる瞬間というのは余韻を残した素晴らしいラストだと思いますし、生放送部分を10話として放送すると満足いくラストになったとは思えません。
9話までが1つのドラマであり、11話はその9話までで出来上がっているドラマを「見たものが真実?」と視聴者に再度問いかけ、1~9話を含んだ新たなストーリーとして再構築させるという2重構造にホンマにやられました。
11話のザッピングが気になる方はDVD Boxに収録した「デフラグメーション」版を見てね(レンタル版には入っていない)という売り方も、あざといながらも映像コンテンツをどう売っていくかという試みで、制作者のチャレンジととりました。
アメリカ製のドラマの1話1話の作り込みが好きだけれども、シーズンを重ねて最後はやっつけ仕事というのに飽き飽きしている方には本当にお薦めです。
ウチは気に入りましたね。
レビュー登録日 : 2011年09月17日
引用
- 登録されていません。






コメント
まだコメントはありません。