さよなら、ベイビー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2013年7月27日発売)
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感想 : 68
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引きこもり中の21才の雅隆。そこに父親が突然赤ん坊を連れてきた。
突然混じってきた赤ん坊にイライラしたり怖いと思ったり、彼の平穏が崩される。
そんな中、彼の父親が突然死し、引きこもり状態で赤ん坊を抱えて途方にくれるはめに。
赤ん坊の親が誰なのかもわからず、父が借金の連帯保証人にもなっていたり、大変な事に。

民生委員の緒方さんから引きこもりの主人公に
居心地の良い逃げ場所から抜け出すいいチャンスじゃないと言われたり、大災害のように泣き出す赤ん坊の世話に追われたり大変な目にあいながら徐々に社会復帰していく。

特別養子縁組に結びつけたミステリー。
子供の利益を守るという目的で制定されたこの制度、それまでは普通養子縁組という、相続や立場上不利になりやすい位置付けでしかないものしかなかった。(平成25年に法律が変わって、非嫡子も実子と同じ法定相続配分になったけど)
それと不妊に悩む夫婦にフォーカスを当てた事件だなと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年1月20日
読了日 : 2016年1月20日
本棚登録日 : 2016年1月20日

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