並べてみると病んでしまいそうなラインナップだこと»
とりあえず今まで読んできた本で、パッと思いついた本を並べてみました。どれもこれも非常に面白い本ばかり・・・だと思いつつも内容を忘れかけていたりして、読み直さんなんなーと思ったり。。。まぁ、ぶっちゃけ自己満足ですが・・・。
レビュー by genkichさん
「『芸術』は『爆発』だ」
という言葉の意味を考えたことはなかった。
それはこの言葉に、自分の知る岡本太郎の作品のイメージを重ね、爆発のような強い刺激を持つ作品を表現することを「芸術」だ、と言ってるんだろうな、という程度にしか、ぼくは考えていなかったからだ。奇をてらってるんだろう、という程度に捉えていた。なんというか、例え本人に直接聞いても、ぼくには理解できないんだろうなぁ、と思っていた。
だが、この言葉にこめられているのは、奇をてらうどころか、実は、とても当たり前のことで、それを岡本太郎は「『芸術』は『爆発』だ」と表現しているだけなのではないか、と、本書を読んで考えるようになった。
本書で岡本太郎が、「爆発」について語った言葉がある。
「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーっとひらくこと。それが「爆発」だ。」(191ページ)というものである。そして、彼の言う爆発は「音もしない。物も飛び散らない。」(191ページ)ものだと述べている。岡本太郎が使う「爆発」という言葉の意味が、ぼくの持っていたイメージとは全く異なることがわかる。
彼が「爆発」という言葉に込めたのは、おそらく「自己表現」のイメージだ。
「自己表現」とは何か。
ぼくにとっては坂口安吾の「日本文化私観」における記述がとてもすっきり腑に落ちる。
「問題は、汝の書こうとしたことが、真に必要なことであるか、ということだ。汝の生命と引き換えにしても、それを表現せずにはやみがたいところの汝の宝石であるか、どうか、ということだ。それが、その要求に応じて、汝の独自なる手により、不要なる物を取去り、真に適切に表現されているかどうか、ということだ。」(日本文化私観より)
この安吾の表現を踏まえたうえで、先の本書からの引用を読んでみてほしい。
ぼくは、両者が全く同じことを言っているのではないかと思う。
つまり、「自己表現」するには、まず「自分が表現したいことが何なのか」をとことんまで突き詰めて考えなければならない。それを突き止めた上で、手段はどうあれ、初めて自分の外に表現できたもの、というのは、「むき出しになった『自分』」なのではないだろうか。
自分が「むき出しになること」を岡本太郎は「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーっとひらくこと」と考え、それは「爆発」である、と表現したのではないだろうか。
だとすれば、「芸術は爆発だ」という言葉は、「芸術は自己表現だ」と言い換えてもいいのではないか、とさえ思う。「あまりに当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれない。
だからぼくは、普通の人としての岡本太郎が「芸術は爆発だ」という言葉から感じられるような気がする。
しかし、だからこそなのかもしれないが、そうした当たり前のことを「芸術は爆発だ」と、誰もが考えられなかった言葉で表現できた岡本太郎の偉大さもまた感じることができるように思う。
レビュー登録日 : 2012年01月10日
引用
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不思議なもので、自分が求めているときは、それにこたえてくれるものが自然にわかるものだ。
― 45ページ -
どんな時代のどんな状況のなかにだって、熱っぽく語りあい、問題意識をわけあう仲間がいた方がいいに決まっている。
また、そういう渦ができるような場がったら、みんなの為にどんなにいいだろうと思う。
― 50ページ -
そもそも自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。わが人生、他と比較して自分を決めるなどというような卑しいことはやらない。
― 56ページ -
ぼく自身は自分を始終、落ち込ませているんだ。徹底的に自分を追いつめ、自信を持ちたいなどという卑しい考えを持たないように、突き放す。
― 56ページ -
最大の敵は自分なんだ。
― 57ページ -
人間には精神が拡がるときと、とじこもるときが必ずある。
強烈にとじこもりがちな人ほど、逆にひろがるときがある。
― 76ページ -
サービス精神が旺盛で、ついまわりの期待するようにふるまってしまったり、チャラチャラと軽口を連発し、そのくせ軽薄だと思われてやしないか、と内心絶望している人がいる。
― 82ページ -
なぜ、友達に愉快な奴だと思われる必要があるんだろう、こういうタチの人は自動的にみんなに気をつかって、サービスしてしまうんだろうけれど。それは他人のためというより、つまりは自分の立場をよくしたい、自分を楽なポジションに置いておきたいからだということを、もっとつきつめて考えてみた方がいい。
― 84ページ -
自己嫌悪なんて、いい加減なところで自分を甘やかしていないで、もっと徹底的に自分と闘ってみよう。
― 87ページ -
そうじゃないから迷うんだ。危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとはそっちに進みたいんだ。
― 28ページ -
「あら、きれいねぇ」と言われるような絵は、相対的価値しか持っていない。その時代の承認ずみの型、味わい、つまり流行に、あてはまって、抵抗がない。人間みんながもっている存在の奥底の矛盾、どんな俗人の中にもひそんでいる、いやったらしいほどの切実な、その実感にはふれられない。
― 180ページ -
全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが「爆発」だ。
― 191ページ






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