2008年3月からの読書記録のようなもの。新刊本だけでなく、再読・再々読の古い本も。
kagesanさん
ヴェルナー・ゾンバルト 金森 誠也
講談社 (2000年08月09日)
歴史 読み終わった
〈非合法的恋愛の合法的な子供である奢侈は、資本主義を生み落とした〉
廣瀬 陽子
集英社 (2008年07月17日)
社会 読み終わった
アゼルバイジャン、グルジア、アルメニアの3国からなるコーカサス地方だが、多様な民族・言語・宗教の交錯するこの地域のありようは、私(たち)の想像を超えて複雑でなかなかに理解がとどかない。アゼルバイジャン国内には〈ナゴルノ・カラバフ共和国〉、グルジア...
佐藤 欣子
中央公論新社 (1974年11月)
1970年代初頭にアメリカへ研究調査で2年間滞在した元検察官の報告書だが、日米の刑事司法のありかたの比較から見えてくる文化的差異は、驚くほど大きく、深く、それから30年以上たった現在も、ほとんど変わっていないように思える。だから、この本は比較文化論とし...
渡辺 京二
洋泉社 (2008年07月)
日本独自の近世文明としての徳川期社会の形成過程をポジティブに論じる。明治以降の近代化=西洋化の過程を相対化する視点から江戸時代を見直す試みのひとつ。
岡田 英弘
筑摩書房 (2008年06月10日)
日本史を東アジア史のなかに位置づけて論じる著者の語り口は、たいへん説得力があり分かりやすいが、あまりにすっきり断定しているところが逆に、専門家からは異論が多々出てくるのではなかろうか。それにしても、日本という国のはじまりを、これほど鮮やかにイメー...
森 銑三 小出 昌洋
中央公論新社 (2008年03月23日)
西本 郁子
法政大学出版局 (2006年10月)
ふだんは意識することなどめったにない「時間」に対する感覚の差異。秒針に追いまくられているような現在からは想像しにくいが、明治初期に来日した欧米人には「大ざっぱな時間の国」というのが日本の印象だったらしい。「時間意識」においても、ヨーロッパ諸国が数...
桜井 章一
講談社 (2008年02月15日)
人間 読み終わった
「雀鬼」の異名を持つ桜井章一と武術研究家・甲野善紀の対談だが、20時間にも及んだというふたりの話のおもしろさは、たぶんこんなものじゃないでしょう。現代社会批評のような内容に傾く部分が眼につくのは、編集者のミスリードか。
林 秀彦
成甲書房 (2008年03月15日)
1988年に日本を去り、オーストラリアに長く住んだ著者は2005年に18年ぶりで帰国し、九州・大分の山中に住む。以前にも増して深く、日本人の現状に絶望しつつ。
中沢 新一
筑摩書房 (2008年05月)
〈ことばは思考の源泉であり、母国語の深みでわたしたちは思考を超えた存在の根にふれることができる。折口信夫の思考と文章を通して、日本語というローカルなことばの全能力は開かれ、思考のことばが存在の根になまなましいほどの感触をもってふれる奇跡が実現され...
石川 九楊
新潮社 (2007年04月)
〈日本古代の国家を挙げての識字運動である写経が平仮名を生み、その発明によって中国からの文化的独立をはたし、中世には元を追われた宋からの亡命僧等によって漢語の厚みが形成され、また、近世の江戸時代の寺子屋や遊女の手習いに見られる高い識字率はアジアでい...
檀 一雄
中央公論新社 (2006年02月)
その他 読み終わった
「私は、どこに出かけるときにも、登山用の小さいマナ板と、庖丁と、ガソリン焜炉だけは忘れない」という著者が、各地の味比べからその作り方のあれこれまでを書き連ねた好著。読んでいると、食欲とともに、旅への欲求がわいてくる。
パーヴェル・ポリャーン 長勢了治訳
原書房 (2008年04月08日)
歴史 積読
モフセン マフマルバフ Mohsen Makhmalbaf
現代企画室 (2001年11月)
〈まだ心が石になっていなかった唯一のひとは、あのバーミヤンの仏像だった。あれほどの威厳を持ちながら、この悲劇の壮絶さに自分の身の卑小さを感じ、恥じて崩れ落ちたのだ。仏陀の清貧と安寧の哲学は、パンを求める国民の前に恥じ入り、力つき、砕け散った。仏陀...
酒井 啓子
岩波書店 (2008年04月22日)
腰巻きには〈「解放」後の動乱を食卓から見つめる〉とあって、イラク社会の日常が垣間見えるのかと期待したが、そうではなかった。ちょっと斜に構えたようなタイトルとは相違して、シーア派社会の政治力学分析からはじまって、追いつめられたスンナ派やクルド民族の...
黙阿弥
岩波書店 (1928年08月15日)
文芸 読み終わった
河竹黙阿彌の世話狂言のなかでもいちばん人気の白浪五人男(弁天小僧)。浜松屋の見世から稲瀬川の勢揃いまではたびたび上演されているけれど、序幕・新清水の場から通しで台本を読むとあらためて、この物語のおもしろさが見えてくる。初演は五代目尾上菊五郎。「鳩...
祥伝社 (2005年06月)
言葉 読み終わった
書家である著者は、日本語を書くことの追求の果てに「書いてこそ日本語、それも縦に書いてこそ」という確信にたどり着く。そこから展開される日本文化の状況論はラジカルで示唆に富むものとなっているが、副題にある「横書きが日本人を壊している」という認識までも...
佐藤 直樹
バジリコ (2008年01月19日)
『暴走する「世間」』というタイトルから、日本社会の現状への批判的分析を期待したのだが、残念ながらほとんど肩すかしであった。西洋社会とは異質な日本社会の特殊なあり方としての「世間」への注目は、阿部謹也によってはじめて問題提起されたのだが、この本が語...
吉本 隆明
光文社 (2008年01月)
東京工業大学でのビデオ講義「芸術言語論」をまとめて単行本化した本書は、いわば『言語にとって美とはなにか』と『共同幻想論』の著者自身による現在的な読み直しとなっている。250頁に満たないコンパクトな本の中に吉本理論のエッセンスが詰まっているのだが、講義...
熊谷 守一
平凡社 (2000年02月)
技芸 読み終わった
日本経済新聞の「私の履歴書」に連載された熊谷守一の自伝。画家という存在の特異さをこれほど忠実に生きた人は稀だろう。「その絵筆はあっさりとしたものだけど、そこに至るまでの綿密なまなざしの、気の遠くなるほどの長い時間があるのだろう。」と、赤瀬川原平が...
オイゲン ヘリゲル Eugen Herrigel
岩波書店 (1982年10月16日)
ここで語られているのは、武術あるいは武道としての弓ではない。それは著者・ヘリゲルが学んだ弓術がすでに戦いを忘れた果てのそれだったからであるが、同時に彼の修業の目的が、東洋的な神秘への接近だったからでもある。 近代ドイツ人たる哲学者・ヘリゲルは、た...
松田 権六
岩波書店 (2001年04月16日)
漆と漆芸について、人間国宝である著者の六十余年の経験を惜しみなく語った貴重な記録であり、「うるし」への格好の入門書となっている。ときにかなり専門的な話にも踏み込んでいるのだが、すべてが著者の体験をふまえた記述となっているので、わかりやすく説得力が...
集英社 (2008年02月15日)
特攻隊の生き残りで、戦後はシベリア抑留も経験した在野の哲学者・波多野一郎の著作『イカの哲学』。彼が過酷な青春の体験を昇華してたどりついたのは、ヒューマニズムを超えた地平で語られる平和論だった。その存在論的世界観は、中沢新一がこのところ論じている対...
長谷部 浩
文藝春秋 (2007年06月)
女方も立役も自在に演じ分ける菊五郎の魅力を「色気」というキーワードで追いかけた本書は、名跡の歴史をひもとき、七代目尾上菊五郎の代表的な舞台を詳しく解説することで、歌舞伎そのものへの格好の入門書ともなっている。私の菊五郎体験はNHK大河ドラマの義経役(...
水無田 気流
光文社 (2008年01月17日)
1970年生まれの女性詩人が自己史に重ねて語る、高度成長期以降の日本社会の変遷史。彼女の原風景は高度成長期、10代は消費社会爛熟期の'80年代、そして20代をバブル崩壊のただ中で過ごしてきたことになる。風変わりなタイトルの「黒山もこもこ」とは、第二次ベビーブ...
後藤 仁敏
中央公論新社 (2008年02月)
期待外れ 読み終わった
'90年代に注目を集めた養老孟司の「唯脳論」に対抗して「唯臓論」を語ることで、三木生命形態学の新しい展開を試みるという前書きにひかれて読んでみた。大学で直接に三木の授業でも学んだという著者だが、この本は単なる解剖学や発生学の知識の現象的な羅列にとどま...
永瀬 清子
思潮社 (2008年02月)
木村 李花子
東京大学出版会 (2007年08月)
馬 読み終わった
辺境あるいは周辺域というフィールドで人間と自然のかかわりの歴史に思いをはせる女性研究者が語る4種のウマ属の物語。 北海道根室沖の緩(ユルリ)島には一頭の種馬と二十数頭の雌馬とその子馬たちが、なかば野生状態で放牧されている。毎年数頭の子馬(雄)が間引か...
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