盲目的な恋と友情

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著者 : 辻村深月
ginevra-potterさん  未設定  読み終わった 

スラスラと読みやすく、ありがちな恋愛に溺れる女性の話。
読み応えあるし面白いがこれが辻村深月である必要はあるのか?他の名のしれた恋愛作家でも誰でもいいのではないか、そんな感想がよぎった前半の「恋」。
ところが、後半の「友情」。ここからが本領発揮だったのだと今ならわかる。
辻村深月得意の、目には見えない環境に根ざすカースト制度によりコンプレックスを抱いた女性のドロドロとした内心を文字に書き起こし、それは読む人の心を抉るのではないだろうか。
その女性のことを、考え過ぎだよ、と私自身一笑してしまいたくも思いつつ、流すことは出来ずどんどんその女性の目をそらしたくなるような痛い様を綴った文字を必死に追いかけていた。

そして、最後の最後のどんでん返し。
まさか、とまた騙されてしまった。『冷たい校舎の時は止まる』の時から辻村深月には騙されて、最後にあっと言わされている。
そこで、本当にこの2人は救いようがないことがわかり、タイトルがいかに本編とマッチしているか腑に落ち、やられたと思う。
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』の読後感と似たようなタイトルと本編の一致であった。

よくここまで書いたなぁ、と感心してしまいます。
今作の出版社は新潮社。
以前の作品だと『ツナグ』が新潮社では刊行されている。
今作の読後感は前述したゼロハチ〜に似た感じ。
文藝春秋だともっと読後感悪かった予感がするので新潮社で良かったかも。
また辻村深月で明るいお話読みたいのでツナグ2は大歓迎です。
それにしても、本当、久しぶりに楽しめた辻村深月でした。

レビュー投稿日
2014年7月13日
読了日
2014年7月13日
本棚登録日
2014年7月13日
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