愛されるために、ここにいる [DVD]

監督 : ステファヌ・ブリゼ 
出演 : パトリック・シェネ.アンヌ・コンシニ.ジョルジュ・ウィルソン 
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感想 : 9
4

カメラの動きがあまりなく、会話も凡庸でテンポがぬるく、いつの時代の映画だという感じのスタート。古ぼかしいだけの映画なのかそれが計算なのかと思ったら後者でした。頑固なお父さんあたりの描写あたりから繊細な感じが分かってくる。

50過ぎの初老の男の恋愛というちょっと特殊なテーマで、年が年だけに燃え上がるって風にはならず確認するように一歩前進二歩後退で恋愛のステージをあがっていく。そのディテイルを言葉少なくちょっとした視線とかタンゴの音楽に絡めて描いていく。スローな展開が不思議な緊迫感を呼ぶ。

途中破綻してしまうが、秘書の言葉と父親の死から人間の本意は分かりにくいものだし、それにキチン向き合うべきだという教訓を得て、再び彼女と向き合うというストーリーが泣かせる。いいドラマです。

しかし相手は結婚前だというのにどうなるの?という疑問の前に映画は高揚感のみを描いてフイに終ってしまう。古ぼけたたどころかなんとスマートな作品であることか。さすがフランス映画です。

しかし結婚前の魅力的な彼女がなぜくたびれた主人公に惚れたのかよく分からない。もしかして中年後期の男性に送るおとぎ話だったのかなと思う。

『人生に疲れた中年男が、ふとしたことから通い始めたタンゴ教室で若い女性と出会い、互いに秘めた感情が昂揚していくさまを繊細なタッチで綴る静かな愛のドラマ。主演は「読書する女」のパトリック・シェネ、共演に「灯台守の恋」のアンヌ・コンシニ。監督はこれが長編2作目の新鋭ステファヌ・ブリゼ。』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2010年9月21日
読了日 : 2010年9月21日
本棚登録日 : 2010年9月21日

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