少女革命ウテナDVD-BOX 下巻【初回限定生産】

監督 : 幾原邦彦 
出演 : 川上とも子  渕崎ゆり子  子安武人  草尾毅  三石琴乃  久川綾  白鳥由里  今井由香  こおろぎさとみ  渡辺久美子 
  • キングレコード
4.68
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感想 : 17

ようやく全話観終わった・・・疲れました。
ウテナは重い。

全39話、3クールなんだけど構成的には2クールでよかったのでは。
捨て回、作画が悪い回がけっこうあって要らないし
(しかもだいたい七実のギャグ回だよ・・・泣)
2クール目の黒薔薇編は単独だと好きなんだけども
一番要らないところですね。
黒薔薇編カットして2クールにした方がもっとよかった。

こういうところを見ると、90年代末と今・・・
だいたい2000年代後半ですかね、の製作体制って全然違うなって感じ。
この頃はまだふつうのTVアニメで、しかもウテナは夕方に放映されてたけど
(それが恐ろしいことだ!)
ウテナの内容ってOVAでもおかしくないような激しいことやってますし。
エヴァもそうですよね。

この頃のエヴァやウテナって、そういう時間帯に放映することで
アニメ界から革命を起こそうとしてた。
で、今は深夜アニメばっかりで
これは昔で言うところのOVAのような作り方です。
昔はTV放映で夕方~7時の時間帯じゃないと、
若い視聴者向けじゃなかったけど、今はネットもあるし選択肢が増えた。

全39話なんとか持ったのは、34話のサトジュンコンテ回があったから。
これがもう楽しみで楽しみでしょうがなかった。
そして重要な話でした。
(因みに絵コンテと演出分かれてるアニメはどっちが上?というのは
基本的に絵コンテが上、ベテランがやって演出は統括のようです。)

しかし、ウテナは五十嵐回がいちばん面白いっす。
ふつうの五十嵐→どれみ
尖った五十嵐→ウテナ、『ホスト部』1話


おはなしについては序盤で想像したとおりになってしまった・・・
いや、ラストはあれしかないよね、って。
そこが逆予定調和みたいになっててつまんなかった。

前半の感想でも書いてるんですが、
アンシーってムカつくじゃないですか。綾波じゃないですか。
で、ウテナって空気じゃないですか。
そしたらラストはああなるよね。
漫画版の方がラストはわかりやすくて好みかも。

「アンシーがムカつく」、しかも声が渕崎ってところ
このキャラ設定が非常に素晴らしいんです。
あそこまでムカつく、ドSが喜ぶキャラは他にいない。

後発作品への影響としては
ウテナが空気というのを推し進めたら『ゆるゆり』・・・なのか?w
あとまどか☆マギカですね、やっぱり。
ウテナ→まどか☆マギカに変遷する要素が何か
抽出すると面白いと思います。
「ほむほむの能力」以外だと、萌えとバトルロワイアルもの。
(個人的に、「萌え」が顕在化したのって
CCさくらと東鳩マルチぐらいからだと思ってます)

それと、ウテナの頃は男キャラが出てホモォ要素もあるんだけど
2000年代中盤以降だと
草食系男子→男子不在の美少女動物園→百合 じゃないかなと。
去勢されてってるなー。


キャラでいうと、「薫ミッキーは絶対に女のはずだ!!!」と
最後まで信じてたんですがふつうに男で終わって俺涙目・・・
この、オタクの幻想を打ち砕くような・・・
アンシーが不愉快キャラなのもそうなんですよ、
ウテナにしろエヴァにしろテーマが近くって
「オタクの幻想を打ち砕く」ってのがありますね。
それが当時の「革命」でした。
で、皆さんご存知のとおり革命は失敗しまして
逆方向での革命が起こっちゃったっていう。

ミッキーは今のテンプレでいうと男の娘なんだけども
やっぱり早かったなあ。
CCさくらにも秋月奈久留ってのが出てきますけど。


全体として、倒錯した耽美なお話なんですが
地上波で直接的に描けない部分をカットして
演出効果を上げるというのがほんと、ものすごいアニメでした。
このアニメは演出が全て。
最終話ひとつ前の予告も最高でしたw

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 青春・スポーツ
感想投稿日 : 2014年1月14日
本棚登録日 : 2014年1月8日

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