『エンダーのゲーム』は初心者におすすめの海外SF小説ベスト10とかによく入ってる有名な作品なので、いつか読みたいなーと思ってたら映画化されたのでまずは映画から。・・・と思ったんですが、観に行った映画マニアの先輩からはそこまで推されなかったので劇場ではスルー。(ふだんSF映画と戦争映画はなるべく劇場で観るようにしてます)
原作小説は短編版が’77年、長編化が’85年なので、JPホーガンの『星を継ぐもの』と同様SF小説としては比較的新しいものだと思う。’70年代後半~’80年代前半にかけて、映画もそうだけどSFブームだったので丁度その頃の作品です。
「比較的新しい」と言いたかったのは、観てもらったらわかりますがハインラインの『宇宙の戦士』と基本的にはだいたい一緒の感じでした。と同時にエヴァンゲリオンの元ネタのひとつ、というかこれまただいたい一緒の感じ。昔、庵野監督がインタビューで「実はSFそこまでは読んでなくて、最近(’90年代)のもあんまりわからない。最後に読んだのは『エンダーのゲーム』」というようなことを言っておりました。
ストーリーは『宇宙の戦士』とだいたい一緒、じゃあ違う部分はどこか?というとタイトルの文字通り「ゲーム」であるどうか、というところじゃないでしょうか。SF小説って現実の科学技術の進歩で刷新されていくんで、この当時の最新技術ってのはコンピューターやゲーム、そして仮想現実からサイバーパンクでした。そこのところが’59年の『宇宙の戦士』とは違う点。音楽で言うと、’60年代後半~70年代のプログレと’90年代後半~00年代のポストロックの関係みたいな。
「ゲーム」描写、主人公たちが途中でトレーニング(ゲームというかスポーツというか)しますがあそこのところはかなり面白かったです。特に、僕ら世代は湾岸戦争の開始をテレビで何度も観てきた世代なんで「空恐ろしい」感覚ってのがけっこうあるんです。あと、監督や製作者側がやりたかったことってのは、やっぱりテロ~イラク戦争までを踏まえてってことなんでしょうね。そういうところはすごくよくわかる。劇中出てくる無人機なんかも、プレデターなんか現実世界でもバンバン使われてますし・・・。
ですが、最初に書いたように『宇宙の戦士』だし『エヴァンゲリオン』なんで、それらの後に観ると目新しさがほとんどありません。逆に『パシフィック・リム』なんかは要素だけ持ってきて違う映画にしちゃったんでおもしろかった。
主演のエイサ君とヘイリーちゃんはどちらも好き。本当は★3ぐらいだけど、エンディング曲がフレイミング・リップスだったので★4。
- 感想投稿日 : 2015年3月31日
- 読了日 : 2015年3月25日
- 本棚登録日 : 2015年3月25日
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