将軍が目醒めた時 (新潮文庫 つ 4-4)

著者 :
  • 新潮社 (1976年12月1日発売)
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本棚登録 : 212
感想 : 11
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笑える物から怖い物まで色々なタイプの短編が入っているので筒井康隆を読み始めたい人にオススメしたい。
『万延元年のラグビー』
解説したら負けだ。北斗の拳。
『ヤマザキ』
有無を言わせず爽快な気分にさせてくれる。これで笑えない大人にはなりたくない。
『乗越駅の刑罰』
悪夢を文章化したような作品。『走る取的』と並んで最も怖い作品の一つ。
『騒春』
珍しく私小説っぽい話。昭和の不良の香りがする。
『新宿コンフィデンシャル』
シュールレアリスムの教科書のような話。でありながら青春小説でもあるのだなあと感じる。舞台劇にしたら面白そう。
『カンチョレ族の繁栄』
またまた悪夢的な作品。価値観が固まってしまった人にとって異文化とのコンタクトはなんと難しいことか。
『註釈の多い年譜』
当事これを中間小説誌に載せたんだからすごい。今でも充分前衛的。
『家』
何度も読み返したくなる名作。『遠い座敷』『夢の木坂分岐点』と並んで、日本人の原点をSF仕立てにすることでよりくっきりと浮き上がらせることに成功している。
『空飛ぶ表具屋』
今こんな作品書いたら批判の槍玉に上がるだろう。言論の自由よ今いずこ。俺も日和ってはいかんなあ。
『将軍が目醒めた時』
こんな爺さんがいたら、楽しいだろうなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2007年3月8日
読了日 : 2007年3月8日
本棚登録日 : 2007年3月8日

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