以前からちょっとずつ読んでいた村山さんの作品で、ちょっと前に話題になっていたので読んでみました。
確かに生々しい性描写が多いのですが、これは官能小説ではなく、人間の内面を深く描いた素晴らしい作品だと思います。人間の他者に対して抱く気持ちの繊細さ・移ろいやすさ、そして他者への思いやりと自己本位の気持ち(傲慢さ)の奇妙な共存のさまが、”フィクション”ではなく、ありのままに描かれていると思います。
今までの作風と違う、という意見も多いようですが、人間の内面のようすを深く描こうとする姿勢は以前から村山さんが目指してらっしゃるところじゃないかなと思います。今後の作品にも期待です!
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本の小説
- 感想投稿日 : 2011年1月1日
- 読了日 : 2010年12月31日
- 本棚登録日 : 2011年1月1日
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