理科系冷遇社会: 沈没する日本の科学技術 (中公新書ラクレ 366)

著者 :
  • 中央公論新社 (2010年10月1日発売)
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感想 : 17
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2010/10/16 メトロ書店御影クラッセ店にて購入
2010/11/3~11/11

日本の子供たちの理科系離れが叫ばれて久しいが、なんら根本的な施策がとられていない現在、日本のおかれている現状を元科学技術庁官僚で科学行政に長く携わっていた著者がまとめている。内容的に特に目新しいものはないが、理系社会の片隅で暮らす私としては、日々実感していることを、これほどまでにはっきり書かれると、わかっていることとは言えショックは大きい。最終章で、科学技術立国として生き残る方策について提言しているところは素晴らしいが(多くの本は問題点の指摘だけで終わってしまうので)、理系の社会の中だけの制度を整えてもなかなか改善は難しいだろう(もちろん、理系社会で生きている自分からすると、せめて理系社会の制度をしっかりと組みなおしてほしいとも思うが)。やはり日本社会全体の仕組みを変えていかないと、中国どころか韓国、インド、シンガポールなどにも抜かれてしまい本当に極東の小さな島国になってしまうだろう。とにもかくにも、こういう立場の人が現状をしっかり認識されている(何もわかっていないのではない)ということがわかっただけでも良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評論
感想投稿日 : 2010年10月16日
読了日 : 2010年11月11日
本棚登録日 : 2010年10月16日

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