ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年3月25日発売)
3.79
  • (2028)
  • (4069)
  • (3035)
  • (417)
  • (64)
本棚登録 : 26013
感想 : 3393
5

僕にとってビブリアは初めてはまった日本の小説だ。アメリカに生まれ、アメリカで育った僕はあまり小説には興味なかった。日本の補習校には通っていたし、親には日本語でしゃべったけど漫画くらいしか日本の文学に興味を持っていた。今年の夏、ニューヨークシティにある紀伊国屋で僕は「おすすめセクション」でこの本を初めて見た。英語にはこういうことわざがある。「本は表紙を見て判決を下すな。」通常、僕はこれに同意するが、今回はそのことわざを無視して、物凄く綺麗な女性が描かれている「ビブリア古書堂の事件手帖1 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜」を買い、帰りの電車で読み始めた。ほかの人には僕が初めて補習校の教科書以外の日本語の本を読む人には見えなかっただろう。所々辞書を引く必要はあったし、三巻まで主人公の名前である「篠川」を「ふじかわ」と呼んでいたけどとにかく内容が面白くてそれ以上に読みやすかった。僕の一番好きなところは「事件手帖」って書いてあるけど殺人事件や強盗事件ではなく、普通にどこでもある日常的な事件のことだ。アメリカにはこういう本はほとんど無い。テレビでもいま流行っている本にも必ず誰かが死ぬ。本当にワンパターンだ。でもビブリアはそれと違うし、主人公達が助ける人々はその章だけじゃなく後に出てくるのもまた面白い。一巻を買った日、僕はなんで続きを買わなかったのだろうとすこし悔しがった。年に二,三回しかシティに行かない僕は生まれて初めて二日連続でシティに行って、残りの四冊も買って、すべて一週間以内に読んでしまった(もっと時間をかけて、楽しんで読んだほうが良かったかもしれない)。ビブリアシリーズは僕に日本の本に興味を持ってくれた小説だ。6巻が紀伊国屋に着くのを僕はソワソワして待っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年12月28日
読了日 : 2014年8月25日
本棚登録日 : 2014年12月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする