推理小説と、そのなかでキーとなっているジグソーパズルがセットになった本。小説自体は問題編と解答編を合わせても60ページと短編程度のものだったが、パズルを解きすべてを読み終えたときには、よくできた物語を通常の読書では味わえない方法で体験できたという満足感があった。
最初に血が付いたピースとそうでないものをわける必要があるが、これらはできれば始めからわけておいてほしかった(さらに言えば、残りのピースは隠しておいてほしかった)。自分でわける作業をすることで物語のリアリティが減じてしまっていることと、最初からすべてのピースを使ってパズルを解くことへの抵抗が小さくなってしまっているのが、残念な点だった。
また、血の付いた70ピースだけを用いるパズルの難易度は、もっと低いほうが良かった。パズルの難しさは、この作品のおもしろさの本質ではないため、途中で諦めてしまう人がいたらもったいない。
最後には300ピースのパズルを完成させてみたが、こういう機会でもなければジグソーパズルに時間を費やすことはなかっただろう。ジグソーパズルの楽しさを思い出させてくれたという意味でも価値のある本だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年10月14日
- 読了日 : 2013年10月14日
- 本棚登録日 : 2013年10月14日
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