ドイツとトルコ。私の2大憧れの国。
監督はトルコ系ドイツ人。
世界の映画を観ると、世界には民族問題を抱える国が沢山あるのだと思わされる。日本はそういう意味で平和だから。日本でアメリカの映画ばかり観ていると世界の多様さに気づかない。
いや、これは民族の話ではない。これはつながりの話。
タイトルが良い。
イェーテの死、ロッテの死、死のほとりで。
前時代的(エロイ・ガンコ・タンキ)親父。
万国共通で人気のある草食系心優しいインテリ息子。
娘の学費の為にピンク街に立つ母。
反体制運動の為に不法入国し、塀の中に入れられる娘。
その娘に自分の中の熱い想いを重ね合わせ驀進する友達。
若い頃の自分に似た娘を心配する友達の母。
愛すべきキャラではないけれど、どの人物も現実的で自分にとってとてもリアルだった。
人が人を信頼するのに、家族である必要はないし、人が絶望の時に救いになるのは
家族だけとは限らない。そして家族は家族となった以上いつまでも家族なのだ。
犠牲祭の日、息子を守る為なら神をも敵に回すと言った父、
娘の学費の為なら娼婦にもなれる母、
娘の遺影を求めてひとり慟哭する母。
父の素行に幻滅する度に糸を手繰り寄せる息子、
自分の信念を信じ闇夜の中を突き進む娘、
母を疎みながらそれでも自分の中に母を見つける娘。
なんだか凄くリアルな話。そうだ、人は何度でも繋がり・離れ、それを繰り返す。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
映像
- 感想投稿日 : 2012年3月24日
- 読了日 : 2012年3月24日
- 本棚登録日 : 2012年3月24日
みんなの感想をみる