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レビュー by ちびの星☆さん
「救い」はない
('08/監督28作品目)2回目
●「救い」と「希望」
この映画に「救い」はない。
なぜなら、クリスティン(母親)の望みは唯一つ、
ウォルターが戻ってくること
だけだからだ。
だから、
裁判に勝訴して警察の腐敗が暴かれたことも、
ノースコット(犯人)が死刑になったことも、
これらは僕たち観客を「勧善懲悪しかるべき!」のように“スカッと”させるだけで、
クリスティンにとっての「救い」にはならない。
だが、彼女には「希望」がある。
それはウォルターがデヴィッドを助けた(と同時に一緒に逃げた)という証言である。
しかし、わたしたちはこの「希望」が叶うことはないということを知っている。
観客にとっての“救い”がクリスティンにとっての「救い」ではないこと。
クリスティンにとっての“希望”が観客にとっての「希望」ではないこと。
ここに開きがあるという点が、非常に興味深い。
●音楽
この映画では、イーストウッドが音楽監督も兼任している。
これは決して珍しいことではない(『ミスティック・リバー』や『ミリオンダラー・ベイビー』などでも担当している)が、この映画の音楽は最高にイイ!
端的にいえば、「息子を誘拐されて、結局見つからない」というどうしようもないほど暗い物語なのだが、
イーストウッドの音楽が優しくこの映画を包んでいるので、その暗いモノも心に“スッ”と入ってくる。
あくまで内容についてコメントしたいので、最近は俳優についてなるべく言及しないようにしてたけど、この作品におけるアンジェリーナ・ジョリーの感情を抑えた演技は秀逸ですよねー!
「警察の無理解」にイライラする気持ちもわかるけど、そんなのはあくまで表面的なものであって、この映画はもっと深いレベルで観れる映画だと思う。
ただ、“冷たくて、重くて、黒い”モノが心に入ってくるので、観る前には覚悟が必要な映画ですよコレは。
レビュー登録日 : 2011年11月01日
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