「クラインの壷」もそうでしたが、なんといっても着想が面白い!
事件に巻き込まれて、超人的な嗅覚を獲得した主人公によるミステリー小説。
「嗅覚」と言うと、つい「匂い」を連想しますが、そうでないのがミソ。
嗅覚の「共感覚」が備わった感じでしょうか。
匂いを匂いとしては感じず、「形」「色」で視覚的に認識する。
今でこそ、自分も「共感覚」と言うことを知識として知っていますが、
本書発行当時に、この着想にたどり着いたのがすごいなと
この感覚の描き方も面白いとおもうし。
ただし、ラストをミステリー小説としては、手堅くまとめているんですが…
個人的には、「他者と共有することができない嗅覚による証拠は、なんら客観的な証拠としてなりえない」と言う点をどう崩すのかを楽しみにしていたのですが…
そこが残念なところかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2010年7月1日
- 読了日 : 2010年7月1日
- 本棚登録日 : 2010年7月1日
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