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読書備忘録。
レビュー by おおくぼさん
ビルマの中に在りながらビルマでない反政府ゲリラ・ワ軍の統括地、ワ州。そこで暮らす人々はビルマ語を解さず、ビルマを知らない。文化的にはむしろ中国圏だけど国境が領地を分かつ。その宙に浮いたような土地の主産業がアヘンである。著者はお国の事情をいろんな角度から紹介しながらとある村で約半年をかけてアヘンの種まきから収穫までを体験する。
題材的にジャーナリスティックな側面が強くシリアスな記述も多いけどなによりまず冒険家としての著者の姿勢に読まされる。登場人物すべて生きた人間として描かれ、またそいうスタンスだからこそ現地でアヘン中毒にもなる。こういうエンターテイメントを読むようなルポというのはそう滅多にないのではないか。
周辺地域の事情に精通している著者だからこその意外な発見というのに読みながら引きつけられる。誰もやったことのない無茶に挑むことがすでにおもしろいことだけど、幅広い知識に裏打ちされていてなおかつ自身に律する信条があって初めて信頼に足る作家になるのだなということをあらためて感じた。
現在ワ州のケシ畑は一掃され日本のODAでソバ畑になっているらしい。ムイレ村の人々のその後が気になる。
登録日 : 2008年12月23日 22:35:54


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