逃亡(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2000年7月28日発売)
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本棚登録 : 342
感想 : 28
4

今まで私が読んだ帚木作品は、精神科医らしく心を病む人物の登場が多かった。
これは第二次大戦中憲兵として働き、敗戦後逃亡し続ける主人公の限界とも思える物語だ。
同時期に大陸で新聞記者として従軍した父の面影と重ね合わせた。

戦争は人を変えると言うが、随所にそれがうかがえる場面が出てくる。
しかし、極限状態にあっても友情の存在があることも知った。

小説としてより、ドキュメンタリーのような迫力、面白さを感じた。
敗戦後の混乱、戦争裁判の不条理、道を誤った国家の恐ろしさ
、どれも私年代(80歳)にとっては記憶にある事だけに胸を打ちまた痛みを感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年1月31日
読了日 : 2012年1月31日
本棚登録日 : 2012年1月31日

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