今まで私が読んだ帚木作品は、精神科医らしく心を病む人物の登場が多かった。
これは第二次大戦中憲兵として働き、敗戦後逃亡し続ける主人公の限界とも思える物語だ。
同時期に大陸で新聞記者として従軍した父の面影と重ね合わせた。
戦争は人を変えると言うが、随所にそれがうかがえる場面が出てくる。
しかし、極限状態にあっても友情の存在があることも知った。
小説としてより、ドキュメンタリーのような迫力、面白さを感じた。
敗戦後の混乱、戦争裁判の不条理、道を誤った国家の恐ろしさ
、どれも私年代(80歳)にとっては記憶にある事だけに胸を打ちまた痛みを感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年1月31日
- 読了日 : 2012年1月31日
- 本棚登録日 : 2012年1月31日
みんなの感想をみる