フランスからの提言 原発はほんとうに危険か?

  • 原書房 (2011年7月7日発売)
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 結局は、原発をなくせば電気代は2倍になる。食料もエネルギーがなければ作れない。といった原発必要論。「エコロジストの哲学とは進歩を止めることであり、これは有害きわまりない結果をもたらす」。原発をなくせば「生活レベルを半減させる。われわれは贅沢三昧をしてきたが、われわれの子どもには質素な暮らしで我慢してもらいましょうということになる」といった脅迫調が引っかかる。どうして生活の質を見直そうという方向に行かないかなぁ。
 核廃棄物の処理法は確立されていないと認め、二酸化炭素が気候に明確な影響を及ぼすことはない、という見解に立ちながら、なお原発の必要性を唱える理由がよくわからない。
 「人類の文明史とは、第一に科学技術の進歩の歴史であり、その他のことは後からついてくる」という科学最優先主義の結果か、せっかく持った原子力利用技術を手放したくないというエゴイスティックな科学者の論理なのだろうか。
 立花隆氏が、これを読めば原発が安全なことが分かるなんて薦めていたので読んだのだが、残念。

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感想投稿日 : 2011年9月22日
読了日 : 2011年9月22日
本棚登録日 : 2011年8月28日

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