夕張について調べていたので読んだ。
著者は、夕張が財政破綻した原因について国や道の責任を認めながらも、どちらかといえば基本的には夕張の責任とする立場から述べている。
私は本書を読み終わった時点では、著者に同意できなかった。
しかし、別の夕張に関する文献を読んでいくと、歴史的な背景がありつつも、夕張市にも責任があったことが納得できた。
物事はなんでも中立的な立場に立ち、冷静な目で見なくてはならないと改めて思った。
文章の構成は、ひと目でわかるようになっておらず、よく読まないと誤解してしまうことが何度もあった。
また、関係ないのではと思うような話が本論の合間に挟まれていて読みにくく感じたし、単に項数を稼ぐために入れたようにも思えた。
ただ、勉強になった点はいくつかあった。
一つは、苦しい状況でも夕張市と市民がなんとかして再生に向かう道を歩まなければ、夕張は本当に消滅してしまうという点は納得した。
二つ目は、「絶対に潰れない、最後には国がついている」という考えは何事においても通用しないことがわかった。国の判断が正しいか正しくないかは別として、破綻した旧拓銀然り、夕張然り。
三つ目は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭が、パリのアボリアッツをモデルとして夕張の通年観光を目指したことを、本書で初めて知った。
個人的に夕張市は、良い意味で自然豊かで静かな町になって欲しいと思う。
夕張市と市民の方たちは現在も厳しい状況の中頑張っておられると思う。
これからも、夕張市のことを忘れず見守っていきたい。
- 感想投稿日 : 2012年12月3日
- 読了日 : 2012年12月3日
- 本棚登録日 : 2012年12月3日
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