未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義II

  • CCCメディアハウス (2012年5月31日発売)
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Tedでのクリエイティブのスピーチからティナ・シーリグに興味を持ち、元々の興味である人間の創造力の育て方について知りたくなり手に取る。


ティナ・シーリグは創造力の源は知識、想像力、姿勢という人間の内部に存在する要素と
文化、資源、環境という人間の外部に存在する要素から生まれると述べる。


これらをモデル化し、それぞれの要因がどのように関連していくかを事例で紹介している。



・創造力は生まれ持ったものではなく、鍛えることができる
・失敗を許容し、過程を評価しフィードバックを得る機会を多くする
・完璧なものを作らずに、途中で試行錯誤する段階での評価をもらう仕組みが必要
・自分は創造性のある人間で、そういうことをするのが好きだとおもいこむことが創造力を生む大事な要素


等々。

これらクリエイティブに発想するためのノウハウは、Tedの内容や他の人が述べていることとほとんど同じであった。


改めて感じたことは、著者が述べたように、いくつかの要因の中でも主体性を持つ「姿勢」が大事だと感じる。

主体性の源は小さい頃に形成され、無意識化で発火するものに感じるため、成人してある程度たった人間の行動体系を新しく変えることはとても容易ではないと、実際は思っている。

つまり主体性を持つための仕組みを用意し、それを育むような文化にどう身をおくかをもう少し考えたい。

自分の中で出した結論は、どんな形、時期でもいいからやりたいことを満足したレベルで達成することを繰り返す頻度を上げ、
周りを巻き込み、自分をやらなければならない状況にする工夫によって習慣的・無意識で行うことにつきると思う。
(月並み)


また現在の日本に視点を当てて考える。

日本では失敗を許容する文化がないと錯覚してしまうのも、雇用の流動性がない大きな企業が多くなってしまっているから、生まれたイノベーションを評価しないからだとも思う。
その原因は生来、ムラ組織な外的・内的な集団バイアスがあるから?
でも宗教や思想は多様な文化が根付いているからなんともまだ釈然としない。
なまじロジカルシンキングとか効率化を重視しすぎた結果や、経済の不況等の背景から先行的な研究や新規事業に資金をあてられないからなのかもしれない。

これらは雇用の流動性だけでなく、いろんな人材が気軽に交流でき、意見やアイデアを交換しあえるような土壌を都市単位で備える必要があると思う。

このような問題を解決するための方法としての文化の形成に関してはまた勉強したいところ。

具体的な方法に関してはデベロッパーの方に考えてもらって。

総評:少し物足りない感。

書いていなかったことで知りたかったこと
・失敗を許容する自由な環境のもとで主体性ははぐくまれるがアイデアを組み合わせ発想する能力は欠乏から鍛えられるという認識でいいのか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年1月12日
読了日 : 2015年1月11日
本棚登録日 : 2014年12月6日

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