絵本を読みあうということ: 読書療法の向こう側とこちら側

著者 :
  • ぶどう社 (1997年1月1日発売)
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本棚登録 : 18
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心にじんじん響く言葉が伝わってきます。お年寄りの介護施設にて。「差し迫ってやりこなさなければならないことにとり囲まれて、余裕のもてない人間と、差し迫るものが何ひとつなく、つかまえるものも手だてもない人間が、いつもいつも〈世話をする人と世話をされる人〉というかたちで向きあうのは、互いに、とても辛いことです。」〈ものがたりの時間〉は、逃避でも慰めでもなく(もちろんそうであってもいいのだけれど)、現実に新しいまなざしを提供する時間。心にズシンとおさまります。絵本は悩みに効く薬でも、治療道具でもテクニックでもない、友人のようなもの。この付き合い方をよりよいものにするために、私も精進できればいいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年10月19日
読了日 : 2013年10月19日
本棚登録日 : 2013年10月19日

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