レビュー by haijisanさん
以前から勝間和代さんの言説にどうも違和感を感じていて、そのわけを探るべく読んでみたわけですが・・・。一番に感じたのは、彼女の推奨する方法(仕事や生き方?)の息苦しさ。四角い箱の中でぐるぐる回っているよう。そんなに常に報酬や見返りのために生きなきゃいけないの?確かに、資本主義の世の中で多くの人が不足なく生きるためには彼女が推奨するようなシステムが有効だろうと思うけど、そのシステムが即個人の幸福に直結すると考えるのはあまりにも安直ではないだろうか?彼女は自分の言っていることがあまりにも単純化されて受け取られていて、彼女のやり方どおりにやれば成功できる、というのは誤りです、と言う。その一方で、「幸せの近道を提示しているのです」とも言う。幸せに近道がある、と言ってしまう事がそもそも間違いなんじゃないの?と私は思います。そして、彼女が目指す「幸せ」が、消費することに由来する幸せばかりであることにも強い違和感を覚える。たとえば、世間的に何の役にも立たない、何の金銭的価値を生み出さないことでも何かに熱中するだけで感じる幸せもある。彼女の幸せは、あくまでも資本主義社会の勤め人が基準であって、芸術家なんかにはまるでなじまないんじゃないか。より効率的に生きるだけでいいんなら、昆虫社会のほうがよほど効率的で美しいシステムを構築しているでしょう。私は、およそ役に立たないことをやるのが人間の特徴であって、それが文化や芸術となって多くの人が幸せを感じている、と強く思う。芸術的なものに触れたときの、自分という枠を超えて何か広い世界に出るような開放的な感覚、これはモノを消費して得られる満足とはぜんぜん別の幸福感です。他にもあれこれと思うことはあるのだけれど、大論文になりそうなので、この辺でやめときます。
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レビュー登録日 : 2011年12月04日
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