海図の世界史: 「海上の道」が歴史を変えた (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社 (2012年9月1日発売)
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感想 : 15
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地図の本は読まねば、ということで・・・
地図はMapであるが、海図はChart。
Chartは「二つ以上の対象の相互関係や変化の状態を図形的に表現したもの」と言う事でChartで示されるのは方位と距離である。海図の歴史は航路開発の歴史でもある。そして本格的な遠洋航海はこの方位と距離がいかに正確に測れるかという技術の進歩とともにあった。

本書は、ヨーロッパの列強がアジアへの海路、新大陸への航路、そこから太平洋を越えて世界を繋ぐ航路の開発とその目的である交易そこから派生する植民政策の拡大の歴史を描いている。

本書の欠点は図版が少ないことである。電子書籍だから図版を省略しているのかと思ったが、人様のレビューをみても判りにくいと言う意見が散見され、どうも書籍版の方にも図版はあまり無いようだ。地図を文章で説明されてもピントこないのである。

面白いと思ったのは、古代ギリシャの時代から地球は丸いと言うことが天体観測の結果として判っていたと言う事である。いつの間に世界の果てでは水が瀧のように落ちているという世界観が出てきたのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 地図
感想投稿日 : 2015年3月25日
読了日 : 2015年3月18日
本棚登録日 : 2015年3月25日

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