日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません

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  • ダイヤモンド社 (2011年10月15日発売)
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時事ネタを理解するためのベースとして、経済学を理解するためにはちょうどよい本。そうした解説と合わせて「成功した人に報いる税制」と「徹底した規制緩和」が日本の経済成長に繋がると一貫して主張している。

すんなり腹落ちしない内容はあるものの、総じて賛成。ただ、上記が成長に繋がることは頭では理解していても、バブル崩壊後に先送りの政策しか実施できていないのが現実。政治家や官僚が理解していない訳ではなく、分かっていてもやらないという状況と思われ、それをどう実現するかが肝のはずで、その点ではやっぱり評論家。

以下、備忘録として残して置きたいポイント。

①経済学は国民を豊かにするための最適な資源配分を考える学問。

②失業は社会が豊かになるために必要なプロセス。技術革新→生産性向上→余剰人員発生⇒他の産業にて就業→GDPアップ(⇒の部分が必ず繋がる?長期的かつ個人にフォーカスしなければマクロ的にはそうかも…)。

③GDP=民間投資+民間投資+政府支出+輸出-輸入

④実質GDP=名目GDP÷GDPデフレーター(ある時点を基準とした物価指数)

⑤信用創造:銀行の貸出によって民間企業や個人が自由に使えるお金が増殖(銀行が企業や個人に貸出→回り回ってどこかの銀行に預金として預けられる→その銀行が改めて貸出…(数式省略))
ただし現金性向が高い(金利)が低いと信用乗数が低くてあまり効果なし。

と書いてきたが、細かな理論は割愛。経済学部出身としてはちゃんと理解していないとね。内容とその通りに行かない背景をセットで。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: リベラルアーツ
感想投稿日 : 2015年11月7日
読了日 : 2015年11月7日
本棚登録日 : 2015年11月6日

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