住宅設計専門の建築家と自負する研究者が
心に留めた家を訪問し続けた旅の記録である
住人がそこで生活している住空間を訪ね歩く手段として
「住宅巡礼」と言うシリーズ本の企画を立てて実行した強者である
ほかにも「住宅読本」などの著書がある
読みやすい文語調で書かれたエッセイか日記のような文は
その家の設計者個人の個性や癖を浮き彫りにし時代の匂いをも書き込んでいる
住処となる家はそこに暮らす人にとって大きく影響する重要な環境となる
その人生を裏付ける大きな要素と成らざるおえない
家は成長する個性が時を越えて暮らすための空間として
十分にやり取りできる対象となれる必要がある
従ってその時空間の性質の種を生み出す設計者は大事である
物質的なメリットのほかに精神的とまで言わなくとも
意識的にフレキシブルで直感を磨いた人でありたい
実際に住むことになるオーナーを理解できて
その意を汲み取れることが基本となる
その上で設計者の経験と主張をオーナーに十分に伝え
お互いの主張を織り込み一つの目的を引き出したイメージを描けてこそ
設計者として自分の存在を実感できることになる
その空間は住み手と一緒に成長するに絶える力を持っているだろう
時にハモリあるいは抵抗しながら生きた場を創造して行くはずだ
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
旅もの
- 感想投稿日 : 2012年3月7日
- 読了日 : 2007年6月10日
- 本棚登録日 : 2012年3月7日
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