七番目の百万人: イスラエル人とホロコースト

  • ミネルヴァ書房 (2013年9月20日発売)
4.50
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 4
4

七番目の百万人 トム・セゲフ ミネルヴァ書房

何しろ字が細かく分厚く重たい本だ
しかしそれだけに内容も濃い
お国柄なのだろうけれども皮肉な言い回しが多く
その煮え切らなさに嫌気がさすこともあるけれども
個々の情報を丁寧に拾い上げてることには感心してしまう

さて
イスラエルに住み着いた人々は
共産圏であった東欧出身のシオニストに始まり
イシュヴと名付けたようだ
その特徴は島国根性的民族主義と宗教的価値観と
社会主義的全体国家主義に依存していたようだ
対立して暴力・軍事あるいは経済で権利を勝ち取る競争原理を好む
イスラエル国家を作るにはパレスチナ人を上回る
ユダヤ人の入植を必要とするためにドイツからに移民を増やそうと
やっきになる一方で財産と労働力を求め
しかも軽蔑してイェッケと呼び
口汚く揶揄し差別心丸出しだったらしい
今に至るの西欧出身者
特にホロコーストからの肩身は狭く蔑視されているようだ

東欧ユダヤに対してドイツ人を多く抱える西欧のユダヤ人の多くは
イスラエルに入植することに二の足を踏む者が多かったという
その理由は英米における政治的判断から
パレスチナの地にイスラエル国家が強引に作られたわけで
建前がどうあれその本質は占拠強奪でしかないという事と
住処と民族意識や選民思想の問題を十把一絡げにして
国家建設に集約することへの疑問なのだろう
彼らの特徴は東欧ユダヤシオニストと真逆であって
開放性と普遍的なヒューマニズムを元にして
自由な世俗的価値観による個人主義及びリベラルな考え方である
法と秩序・妥協和解平和・を基調に
技術・芸術・専門的資格で暮らしを立て
寛容と我慢と謙虚さを大事にしながら
相手との適正な距離感を持つことのようだ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年9月15日
読了日 : 2014年9月15日
本棚登録日 : 2014年9月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする