小川作品は、いつも乾燥した空気が流れている。
話の内容がどれだけ重くても、
現実のドロドロした部分が描かれていても、
振ったらカサカサと音が鳴るような乾燥した空気が流れている。
小鳥の小父さんは幸せだったのか。
愛する兄と過ごした日々は幸せだったのかもしれないが、
それはいつまでも永遠に続くものではない。
わずかばかりの周囲の人々の交流だって永遠に続くものではない。
世間の冷たい目にさらされることだってある。
だからといって、それを不幸と断定はできない。
小鳥の小父さんは眠るように逝った。
その事実に救いがある。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小川洋子
- 感想投稿日 : 2013年2月24日
- 読了日 : 2013年2月24日
- 本棚登録日 : 2013年2月24日
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