大病を患い,生活に窮している作家の男が主人公です。彼の妻が妊娠したのですが,中絶すると言い出します。一方,主人公は「ある日,運命の女に出会い,安定したエリート編集者の生活も家族も捨てて,人生をやり直そうとする」というなんだかありがちな内容の新作小説を執筆しているところです。もとより謎の多い女性だった作家の妻は,結婚してもヴェールに包まれており,作家にとっては,妻こそが運命の女で小説内小説のモデルです。この小説内小説は,作家がいかに運命的に妻に惚れてるか,そんな妻に子供ができて主人公は有頂天になっているのに,中絶を言いだしたのはなぜなのだ…という謎と作家の苦悩とを際立たせるために用いられています。ここがこの小説の肝なのに,私がまとめると表現力不足のため,ちょっとあほらしく感じてしまうのが不思議です。申し訳ありません。とにかく,そんなわけで,主題は,その妻の謎をめぐる物語ですが,こんな女性いるわけないでしょ…とオースターの理想の高さに呆れつつ
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- 感想投稿日 : 2013年5月13日
- 読了日 : 2013年8月8日
- 本棚登録日 : 2013年5月13日
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