上の娘がもうすぐ中学生というお年頃になり、世界の時事ネタにも少しずつ興味が出てきた様子な今日この頃。
いろいろ話をしていると、断片的には記憶に残っている様々な国際政治ネタながら、それらの相互関係や因果関係などを踏まえ、ストーリー仕立てで語れるほど頭の中では整理されていないと感じることが多々あり。
これは良い機会とばかり、池上先生のいつもの名調子を想像しつつ、現代史のおさらいを...と手に取った本書。
本書の出版年は2009年10月。
今から遡ること7年前。
2008年のサブプライム・ローン問題からリーマンショック、オバマ大統領の就任。
日本では民主党政権誕生直後あたりでしょうか。
近いようで遠いような時代ですね。
本書の構造としては、
まずは当時の「世界の勢力地図」を占うキーワードから始まり、
アメリカの転落ぶり、それを踏まえた次なる覇権国…中東か?ロシアか?はたまたインドや中国?
現在でも続いている二酸化炭素問題などの世界の問題点、中東や北朝鮮など世界各地の国や地域間の衝突、
そして、政権交代直後の日本が抱える問題点など。
本書を読んでいると、幅広いテーマながら、要点を絞りつつ、いつもの池上先生のあの語り口調で、分かりやすく解説いただいているような感覚になります。
もちろん、広範囲なテーマである一方、紙面は限られているので、テーマごとの深堀りには向いていません。
なんだかいろいろなテーマがテンポよくポンポンと語られては消え、語られては消え...といった感触。
しかしながら、当時の世界の構造・出来事・課題などを総体的に、ストーリーをもって捉えることができます。
当時の国際情勢に関する頭の中のマッピングや整理整頓ができ、これをベースとしてより広範囲で深い情報を肉付けするのにちょうど良い骨格作りができると思います。
また、時折、該当するトピックスにまつわる事象や歴史の基本的な解説をいただけるのが、たいへん有難い。
私自身の理解が不十分であったことや、そもそも全く知らなかったことなどにも、気づかせてくれ、必要な情報やその取っ掛かりを与えてくれます。
現在、本シリーズはパート7まで出版されている模様。
こういった書籍に触れて、自らの記憶や頭の中の情報整理も大切なことですね...と実感させられる一冊です。
- 感想投稿日 : 2016年12月8日
- 読了日 : 2016年12月8日
- 本棚登録日 : 2016年11月26日
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