2001年『華胥の幽夢』以来、なんと12年ぶりの十二国記シリーズ。もう二度と出ないのではないかと危惧していたシリーズが再開したのは、ファンにとっては嬉しい話だ。ずっと White Heart 文庫で揃えていたので、願わくば続編も講談社から出て欲しかったが、まあそれは仕方がない。
十二国記の魅力の一つは、もちろん本書でも十二分に表現されている十二国記世界のディテールであるが、しかし、それ以上に「蓬莱」からやってきた少女の成長物語であったり、現実世界と十二国記世界が相互に価値観を揺さぶり、揺さぶられる面白さであったりもする。そういう意味では十二国記に閉じた短編はその魅力のごく一部を切り取った掌編に過ぎず、Amazon のレビュー欄でほぼ全員が書いている通り、「やはり長編(本編)が読みたい」という想いは禁じ得ない。
あと、辻真先の解説は完全に蛇足。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年7月20日
- 読了日 : 2013年7月20日
- 本棚登録日 : 2013年7月20日
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