ご存知、「7人のイブ」の続編、というか男編。なぜ人間には性があるのか、そして性とは何かという基本的な話から、「利己的な遺伝子」理論に基づく様々な事象の理解をまじえつつ、mtDNA 同様、Y染色体を武器に過去を溯る。そして、Y染色体は、mtDNA とはまったく異なる歴史を映し出した……。
途中、電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんなY染色体のせいだというような強引な主張も見てとれるが、全般的には「7人のイブ」同様、エキサイティングで深い科学的知識に裏打ちされた佳作。遺伝子から明らかになる男性の(つまり人類の)はかない運命と、それに対抗しようとする科学者の闘いは、まだ始まったばかりだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2010年2月7日
- 読了日 : 2010年2月7日
- 本棚登録日 : 2010年2月7日
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