教室ファシリテーション 10のアイテム・100のステップ―授業への参加意欲が劇的に高まる110のメソッド

著者 :
  • 学事出版 (2012年3月5日発売)
3.86
  • (7)
  • (10)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 173
感想 : 16
4

 教師が一方的に話し続ける「お葬式的な」一方方向の授業から、ペアワーク・グループワークを取り入れた「結婚式的な」授業に変えるためのノウハウを紹介した本。「意見の対立や立場による利害を超えて、他者と<協同>しながら<問題解決>をはかる」(p.217)力を育むための10のアイテムとそれらを実現するための100のステップが紹介されている。
 ペアワークを授業で取り入れる、というのは、特に英語の授業の場合は基本となっているが、その他の教科ではどうなんだろうか。あるいはHRや総合的な学習の時間でそういった「話し合い」をうまく機能させているのだろうか。という疑問はあった。おれ自身、正直「はい周りの人と話し合って~。3分くらいで」みたいな感じでしか行っておらず、イマイチ議論が盛り上がらないし、まとまらない深まらないといったことはよく経験している。そういう時、どうすれば良いのか、何が足りないのかということを教えてくれる。例えば表現させる前に「個人思考」を促す、という部分が不十分だったと思う。さらに「調べ学習を喚起するように、『浅い議論』を敢えて行わせる」とか、「話し合いの終了の仕方に配慮する」といったノウハウはおれにはなかった。
 「ペア・インタビュー」から「ペア・ディスカッション」、さらにグループで「マイクロ・ディベート」や「ロールプレイ・ディスカッション」を経て、「ワールド・カフェ」、「パネル・チャット」、そして最後に「オープン・スペース・テクノロジー」へと、目的別、段階別に10の手法が紹介されている。こんなに色んな方法は知らなかった。教科教育を包括するような、もっと複合的な「教師力」が試される部分だと思った。一人前にこういうことが出来るような教師を目指したい。(14/03/22)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年3月22日
読了日 : 2014年3月22日
本棚登録日 : 2014年3月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする